運送業界の資格まとめ!今後ますます重要になっていく資格とは?

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国内輸送の9割をトラック輸送が占めているのをご存知でしたか。
日本の基幹産業であり、トラック輸送が日本経済を支えていると言っても過言ではありません。
国の推進する『モーダルシフト』でCO2削減や交通渋滞緩和を目指して鉄道輸送へのシフトを試みてきましたがうまくは進まず、航空、船舶、鉄道、トラックのなかでダントツでトラック輸送にその重責は負わされています。

そのトラック輸送である運送業にどのような資格があるのかを確認してみたいと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大で世界的なロックダウンや都市封鎖が行われ、世界経済は停止状態にまで落ち込んでしまいました。
世界中の国々の間での行き来は制限され、輸出入が停滞してしまい日本でも国内輸送でのトラック便にも打撃を与えました。

しかし、トラックによる運送業界も定期便である特積みの需要は落ち込みましたが、新しいビジネススタイル・ライフスタイルとなった在宅勤務やテレワーク、感染を避けての消費スタイルであるインターネット通販により小口輸送である軽貨物輸送が大幅に伸びました。

この『新型コロナウイルス内需』により今後さらに増えるであろう運送業界の資格を再確認してみたいと思います。

運送業に必要な資格

運転免許

運送業に従事するドライバーにとって何をおいてもまず必要な資格は運転免許です。
普通自動車免許から大型自動車免許まで運搬する重量、人数によって必要な運転免許証は違ってきます。

1. 普通自動車免許

普通免許は取得時期によって運転できる車両の条件が異なります。
トラックでは小型2トン車から取得時期によっては中型4トン車までとなります。

  • 平成19年6月1日までに取得した普通免許の運転区分
    車両総重量 8トン未満、 最大積載量 5トン未満、 乗車定員10人以下となります。
  • 平成19年6月2日〜平成29年3月11日に取得した普通免許の運転区分
    車両総重量 5トン未満、 最大積載量 3トン未満、 乗車定員10人以下となります。
  • 平成29年3月12日以降に取得した、普通免許の運転区分
    車両総重量 3.5トン未満、 最大積載量 2トン未満、 乗車定員10人以下となります。

2. 準中型自動車免許

車両総重量 5〜7.5トン未満、 最大積載量 3~4.5トン未満、 乗車定員10人以下となります。

3. 中型自動車免許

車両総重量 7.5〜11トン未満、 最大積載量 4.5〜6.5トン未満、 乗車定員29人以下となります。

  

4. 大型自動車免許

車両総重量 11トン以上、 最大積載量 6.5トン以上、 乗車定員30人以上となります。

各サイズのトラックには平ボディ、バンボディ、保冷車、冷蔵冷凍車、など各重量別にほとんどのタイプが揃っています。

5. 小型・大型特殊自動車免許

全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0~2.8m以下、最高速度時速15km以下(農作業用は時速35km未満)
主に工場で使われる車や農作業で使われる耕運機です。

その他広く物流業界での運送業として考えると就職や転職に必要な資格はあります。

  • 玉掛け作業者
  • フォークリフト免許
  • けん引車免許
  • 危険物取扱者

などです。

いずれもハードルは高くはなく、取得していてもそういう資格があるということを知るだけでも運送業界にいてデメリットはありません。
業界内での転職には有利になるでしょう。
仮に貨物軽自動車運送事業を始めようとお考えの方も知識として頭に入れていただいて損はないと思います。

大型トラックイメージ

運行管理者

運送業を開業するのに必要な一番重要な資格です。
その資格取得には法令試験が必要となります。
更にその資格試験には受験資格として下記のいずれかが必要条件となります。

  1. 運送業に1年以上従事していること
  2. 運行管理者基礎講習を受講していること

上記のいずれかを満たし、毎年3月と8月に実施される運行管理者試験センターが実施する運行管理者試験に合格すればよいのです。

試験の出題範囲は、下記の5分野です。

  1. 貨物自動車運送事業法
  2. 道路運送車両法
  3. 道路交通法
  4. 労働基準法
  5. その他実務に関する知識や能力

全30問中18問正解が合格ラインです。

運行管理者の業務は、車輌の配車・乗務割の作成・休憩設備の管理・点呼・安全教育・健康状態の把握などの運転手や運行するトラックに対しての、運行管理責任者として運送業での司令塔のような役目を担う資格です。

運行管理者は運送業務を行う上での事故防止、適正な労働環境の維持など重責な責任者です。

運送イメージ

整備管理者

この資格も運送業を開業するのに必要な資格です。
資格名の通り、運送業において一番重要なトラック等の車両整備の責任者です。
運送業の許可を受けるに当たっては、この整備管理者と運行管理者の兼任は可能です。

整備管理者資格取得には従事している運送業者によって運輸局に申請さえしていれば、得ることが出来ます。
そのためには2つの資格取得条件のうち1つが必要となります。

  1. 従事している会社で主に整備する予定の車両と同じ種類の車両の点検、あるいは整備経験が2年以上あり、地方運輸局が行う研修を修了した人
  2. 3級以上の自動車整備士技能検定に合格した人

整備管理者資格取得のための資格試験はありませんが、経験か技能検定合格が必要です。

運送業に必要な資格、開業には必ず必要な2つの資格ですが、これは一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業に限ってのことです。

一般貨物自動車運送事業とは、「事業用自動車を使用して複数の荷主の貨物を有償で運ぶ事業」のことを指し、特定貨物自動車運送事業の場合には、「事業用自動車を使用して特定の一社を相手にした有償で貨物を運ぶ事業」のことを言います。
しかし、個人で多額の資金を用意し、運送業許可を得て新規開設を考える方は多くはないでしょう。

運送業にはもう1種類、認められた事業があります。
それが貨物軽自動車運送事業で、一般的に「軽貨物」「黒ナンバー」と呼ばれる運送事業です。
この軽自動車を使って行う貨物軽自動車運送事業には許認可の取得の必要がありません。
車両を貨物軽自動車登録するだけで事業を行えるのです。

許認可の取得が必要ではありませんが、ここまで見てきた運行管理者・整備管理者の責務となっている仕事はどれもが運送業に携わろうとする人間が知っていてもよいことです。

資格不要の貨物軽自動車運送事業

必要な資格は普通自動車免許のみです。
個人事業主として行うのであれば運送業許可は不要です。
仮に事業者として従業員を使っての業とするならば普通自動車免許も不要です。

そして今、時代背景と新型コロナウイルスの影がこの貨物軽自動車運送事業の後押しをしています。
冒頭で述べたように、新型コロナウイルスの影響でインターネット通販の小口運送が右肩上がりです。

利用顧客が増えたことによって通販会社は品物の取り扱いを広げ、生産者も良いものは売れるという自信を取り戻して相乗効果でインターネット通販の質は向上して今後ますます増加の傾向にあります。

今日注文したものが最短翌日配送されるというのはIT社会の一番の特徴ですが、出荷、運送、そして玄関口までの配送の多くの部分はまだ人間の作業が主体です。
ますます取扱量の増えるインターネット通販にはますます人手が必要になるということです。

軽貨物イメージ

独立開業を目指す人にとってはチャンスかも知れません。
個人事業での開業を目指すのならば必要な資格は普通自動車免許のみ。
必要資金も軽自動車もしくは軽トラック、そして経理ほかの自主管理に必要なパソコンくらいでしょうか。
あとはお手持ちの車両を貨物軽自動車登録する費用のみです。

加えて国が推進する『働き方改革』です。
多様化している現代、少子高齢化、人口の減少で国も苦肉作で『働き方改革』と称して副業・兼業を認めました。

参考:(厚労省)副業・兼業「働き方改革実行計画」

副業・兼業を希望される方の一番の目的は当然のことながら収入です。
モノの流れがBtoCへと変化しつつある今、運送業の中で最終事業所からエンドユーザーへ届ける仕事は運送業に携わっていない一般人にとってもわかり易い仕事です。
しかも事業者との契約次第で働く時間を選択できます。
本業のようなストレスは無く副収入を得ることが出来るかもしれません。
男女に関係なく、家庭で子育てを終えてまだまだ元気なお母さんたちの働く新しい世界であってもよいでしょう。

国は『人生 100 年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくことが必要である。また、副業・兼業は、社会全体としてみれば、オープンイノベーションや起業の手段としても有効であり、・・・』と謳っています。

そして、菅新首相が所信表明で述べた2050年を目指しての『脱炭素宣言』はCO2削減を目指して地球にやさしい環境を作ることが目的でしょうが、それは動力を化石燃料からそれ以外の発電によっての電力に頼る社会構築を目指すことです。

それはガソリン車に変わって自動運転の電気自動車が走り、IOTで世界がつながり、AIに支配されたロボットが人間を助け、ドローンや自動運転車両が行き来する一昔前までは夢であった社会が待っているのかも知れません。

これから運送業界も転換期を迎えることでしょう。
この過渡期に運送業に身を置き、変わりゆく過程を肌で感じて新しい世界での運送業に突入してみませんか。
これから更に熱くなる運送業に目を向けてみませんか。

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