自動運転の本格化はいつから?期待される100年に一度の大変革

トピックス

100年に一度の大変革になるという自動運転、あまりに情報が多すぎて実際どうなっているのだろうと思っていらっしゃる方も多いのではないかと思います。

100年前の大変革とは違います。
電気の時代に突入した100年前の大変革は、『無』から『有』を生み出していくような、私たちの生活を変えてくれる何が生み出されてくるかわからないような皆を期待させるような大変革でした。
しかし、今回はその結果で溢れかえってしまったものや失ってしまったものを科学の力で整理するような大改革です。

電気は電灯となり動力となり、それまでの人馬、蒸気機関を圧倒する勢いでねじ伏せてITの世界を築きあげ、現在は人の手を離れた自動運転で『人』や『物』の移動を可能にしようとしています。

現代社会で私たちが直面する『環境問題』、『少子・高齢化』、『交通事故問題』などの社会問題を解決して私たちは子供たちに引き継がねばなりません。

「レールから外れかけている今の社会を元に戻す力を持っているのがこの『自動運転技術』である」という見方でこの『自動運転』を考えてみたいと思います。

なぜ自動運転が必要か

ただ自動車が運転をせずとも目的地に連れて行ってくれる、それだけが自動運転ではありません。
それをどういう形で、どういう局面で使うのか。
そしてそこから何が派生するかを考えなければなりません。
『自動運転』が間接的に何を解決していくかを考えなければなりません。

高齢化と生産年齢人口の減少

日本の総人口は令和元(2019)年10月1日現在1億2,617万人です。
右肩下がりで総人口は減っていきます。
それなのに65歳以上の高齢者の数は増え、その中の75歳以上の後期高齢者の比率は上がっていくのです。
そして、この高齢者たちを支える15歳から64歳の生産年齢人口は減っていきます

バブル時期の1980年代は生産年齢人口6~7人で1人の高齢者を支えていたのがこの令和元年には2.1人となり令和47(2065)年の1.3人に向かい進んでいます。

参考:令和2年版高齢社会白書(概要版) 第1章 高齢化の状況

この労働力の減少は歯止めがかからない問題です。
この解決には『自動運転』の力に頼り省力で現状の維持を考えながら、『働き方改革』によって女性の力や高齢者の力に頼る合わせ技しかないでしょう。

CO2削減による環境問題解決

環境問題の解決には自動運転』とともに『EV(電気自動車)』でCO2削減に努めることが即効性を持ちます。
2030年、2035年を目指して世界中で加速し始めている「脱・ガソリン車」において、AIの支配下となる『自動運転』との相性は間違いなく『EV』でしょう。
日本もやっと菅首相が2050年に向けての『脱炭素宣言』を行い『自動運転化』に、『環境問題解決』になおいっそうの拍車がかかるでしょう。

自動運転技術によって守られる交通安全

交通安全、とにもかくにも自動車メーカーは作り出したクルマで莫大な利益を享受し、その陰で交通事故は消えることなく不幸を生み出し続けています。

自動車メーカーが交通安全を『自動運転』の一番の目的にあげるのは当たり前です。
世界でのトップクラスの日本の自動車メーカーの叡智を絞ってまだ記憶に残る池袋で起きたあの悲惨な交通事故が再び起きることの無いように『自動運転』を開発してもらいたいものです。

2020年日本の自動運転の現状

運転センサー

最近ニュースで聞く『自動運転レベル』、これはアメリカ自動車技術者協会(SAEインターナショナル)が決めた世界で主流の『自動運転』に係るレベルです。
レベル0からレベル5までの6段階のレベルです。

【段階】【名称】【主体】【走行領域】
レベル0運転自動化なし
レベル1運転支援限定的
レベル2部分運転自動化限定的
レベル3条件付き運転自動化限定的
レベル4高度運転自動化限定的
レベル5完全運転自動化限定なし

官民 ITS 構想・ロードマップ 2020によると、国は「2020年には高速道路での自動運転を行えるレベル3の市場化」を目指しています。

参考:官民 ITS 構想・ロードマップ 2020

先日11月11日、ホンダがレベル3の自動運転の機能を搭載した『レジェンド』を2020年度中に国内で発売すると発表しました。
同日に国土交通省からの世界初となる許認可を得ています。

参考:ホンダ、自動運転「レベル3」発売へ 世界初の認可 日経新聞2020/11/12

2020年4月に施行された改正道路交通法により、レベル3の自動車が公道を走行できるようになりました。
しかしながら、高速道路では車線変更を伴わない時速60kmまでの低速走行時のみと限定しています。

※2021年3月5日、ホンダ「レジェンド」が発売されました。一部の条件限定ですが、レベル3の自動運転を実現しました。(2021年4月15日追記)

参考:自動で車線変更、渋滞時は動画視聴も–世界初のレベル3自動運転車「レジェンド」に試乗

商用車両の現状

運転席

新東名では、後続車無人隊列走行技術の確立に向けた実証実験(トラックの隊列走行)が2018年度から行われています。

◎詳しくはこちら>>トラック隊列走行が変えていく日本の物流!メリットと問題点を解説

ここで5Gの威力が発揮されています。
4Gの100倍の速度を持つ5Gの能力が瞬時の正しい判断を伝え、大事故を避ける通信技術に活かされています。

『官民 ITS 構想・ロードマップ 2020』では『高速道路(東京~大阪間)での後続車無人隊列走行システムの商業化』を2025年に定めています。これはレベル2です。
主体は『人』で『部分運転自動化』と称される先頭のドライバーの運転に4m間隔で後続無人車両がついて行きます。

道路交通法も変わり、部分的には着々と進んでいますが、自動運転化されたトラックが実際公道(高速道路)を走るに当たってレーンの拡幅や、標識の新設、トラックステーションの新設、ひょっとしたら一般ドライバーへ新たに走行し出す無人トラックの隊列のことを周知させるアナウンスも必要かも知れません。
やってみないとわからない『AI』でさえ想定できない問題が出てくるかもしれません。

まずは、主幹線を走る『特積み』の大型トラックの『自動化』からでしょう。
『BtoC』でのラストワンマイルを走る軽貨物車両がどのように自動化していくかはまだ多くの課題を解決するのに時間がかかるのでしょう。

2021年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた自動運転技術加速化

新型コロナウイルス」によって一年延期になってしまった東京オリンピック・パラリンピックは『自動運転』を加速させる弾みとなることでしょう。

延期となった東京オリンピック・パラリンピックではMaaS(自家用車は除くすべての交通手段を情報通信技術を活用してシームレスにつなぐ)という技術のもとトヨタが世に送り出すLevel 4の電気バスが選手村を中心に走る予定でした。
来年2021年7月から開催予定となった東京オリンピック・パラリンピックに向けてさらに完成度の上がったEVの『e-Palette』が登場することでしょう。

1964年の東京オリンピックは日本の家庭にテレビを普及させました。
同じように『自動運転』を人々に周知させ、認知してもらうことは『自動運転』を知ってもらいこれから来る新しい社会に備えることとなるでしょう。

世界での『自動運転』そして未来

高速道路イメージ

世界中で『脱炭素』の動きは加速しており、イコール『自動運転』は過熱しています。
しかしここで考えておきたいことは、国によって違うインフラ事情です。

国土の広さ形状、人口密度によってインフラ事情は変わってきます。
平坦で広い面積を持つ国であれば延々と直線の続くハイウェイ、日本のような狭い国土に起伏も激しく、市街地に入れば車道、歩道の広さも違うでしょう。
何よりも歩く人間の習性も違うに違いありません。
それらすべてをビッグデータとして取り込んで処理していくのが『AI』なのでしょうが、日本のような国のほうが複雑に思えます。

それらを解決して高性能なメイドインジャパンの『自動運転』を育てていくのでしょう。

この『自動運転』の世界で必ず出てくる『CASE』という言葉は、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングとサービス)、Electric(電気化)の頭文字です。
2016年のパリモーターショーにおいて、ダイムラーAG・CEOでメルセデス・ベンツの会長を務めるディエター・チェッチェ氏が発表した中長期戦略の中で使った言葉です。

『自動車』が世の中を動かしていると言っても過言ではないかも知れません。
『CASE』という言葉の中のConnected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリングとサービス)、Electric(電気化)は世の中がインターネットでつながるIOTそのものであり、トヨタの実証都市であるウーヴンシティにまで派生していきます。

そして、菅首相が宣言した『脱炭素社会』は2050年に向けて確実に進むことでしょう。
『脱炭素社会』イコール『電気』イコール『AI』であり『自動化』です。

『自動運転』がいつからかと考えればすでにスタートしています。
ただ、私たちが子供の頃に読んだ空想未来小説や漫画のような世界が来るには少し時間がかかるかも知れません。

『自動運転』に適した高速道路や市街地道路の整備や法整備、そして私たちの新たな認識、特に子供や高齢者に認識してもらう努力、そんな技術以外のことも必要だと思います。
『完全自動運転』のレベル5の世界がやって来ても交通事故は無くなるかどうかはわかりません。

きっと私たち次第だと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました