3温度帯に使われるトラックと温度の保ち方をご紹介

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食品を適した温度で運送するには

私たちの生活において、冷蔵や冷凍の食品とは切っても切り離せない関係にあります。
魚や肉、冷凍食品などの温度管理の必要な食品は、どのような温度管理のもと運ばれ、私たちの手元まで届くのでしょうか。

今回は、冷蔵や冷凍などの温度の管理が必要な荷物は、どのようにしてトラックで運ばれるのか、そのシステムにはどのようなものがあるのかを解説します。

ここでは

  • トラックで運ばれる3温度帯の種類
  • 温度別に使われるトラックの種類
  • 冷却システムの紹介
  • 温度管理が必要な貨物の運送方法

について詳しく解説していきます。
ぜひ、最後までお読みください。

トラックに使われる3温度帯

冷凍イメージ

トラックの運送において使われる温度は、大きく分けて3つの温度帯に分けられます。
ここでは、実際に使われている3温度帯の解説、温度別の料金の変化について解説していきます。

3温度帯の種類

3温度帯とは、貨物の運送や配達に使われる温度指定のことで、定温・冷蔵・冷凍に分類されます。
それぞれの温度別の荷物の取り扱いについて解説します。

定温(ドライ)

定温貨物の保管温度は約10℃〜20℃です。

定温と聞くと、温度を変える必要が無いように感じるかもしれません。
特別な温度で保管する必要はないが、気温が高すぎたり低すぎる場合に品質に影響が出るものは定温で運送されるケースが多いです。
運送中のトラックに断熱の仕組みを持たないものや、倉庫や中継地点において、温度管理がされていない場合に影響があるものを定温(ドライ)貨物として指定します。

例えば、生鮮野菜、マヨネーズ、ワイン、生鮮果実、チョコレートなどの温度条件によっては痛みやすい食品などが常温に使われる貨物に該当します。

冷蔵(チルド)

冷蔵貨物の保管温度は約5℃〜−3℃です。

これは、ご家庭にある冷蔵庫を想像していただけるとわかりやすいかと思います。
冷蔵貨物で輸送される貨物は、乳製品、精肉、生鮮食品などの、常温では保管が難しいですが、凍らせる必要の無いものが挙げられます。

冷凍(フローズン)

冷凍貨物の保管温度は-15℃以下とされています。

冷凍貨物は、鮮度や品質を保つために、カチカチに凍らせる必要のある貨物を指します。
例えば、調理用冷凍食品、アイスクリーム、冷凍魚、冷凍肉などが挙げられます。

3温度帯の料金

運送時、保管時にも温度管理が必要な3温度帯に該当する荷物は、通常の荷物と比べて運送料金が高くなります。
通常の配送と比べて、冷凍や冷蔵による温度の管理を行うには、電気料金が必要となり、温度管理が行き届くための倉庫や設備の導入をする必要があるためですね。

通常配送や冷蔵・冷凍配送に関しては、弊社でも案内しておりますのでお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちらから

また、温度帯によってはあらかじめ、冷やすか凍らせておかなければいけない場合がほとんどなので、冷蔵・冷凍貨物を発送する際は、取り扱い業者の情報を調べておくことをおすすめします。

三温度帯に使われるトラックの種類

食材を載せるトラック

低温での保管が必要な貨物を運ぶには、低温をキープできるトラックや冷凍温度を保つ設備のあるトラックが必要になります。

ここでは、保冷や冷凍の設備を持つトラックを紹介します。

保冷車

保冷車は、荷室にポリウレタンなどの断熱材を組み込み、外の温度を断熱し、荷室の温度上昇を防ぐ構造を持つトラックです。
冷蔵車や冷凍車とは違い、自ら温度を下げる性能は持っていません。
荷室の温度を一定に保つことができるため、配送時間の短いお弁当や生鮮食品を運送する際に利用されます。

冷蔵車

冷蔵車は、トラックに備えたコンプレッサーや冷却板を使用し、荷室内の温度を低温に保つことができるトラックです。
冷蔵車で運ばれるのは3温度帯における冷蔵(ドライ)に当たる荷物です。
冷凍する必要はないが、常温では鮮度や品質に影響が出る乳製品や精肉などを運送する際に利用されます。

冷凍車

冷凍車は、荷室の温度を低温にすることで、調理用冷凍食品や鮮魚、アイスクリームなどの凍らせる必要がある食品などを運ぶために作られたトラックです。
冷凍車は、荷室を低温にするための冷凍機のコンプレッサーや液体窒素を利用することで、-15℃以下の超低温で荷室を冷やすことができます。
冷凍する貨物には鮮度が重要視されることが多いため、荷室内は殺菌作用や抗菌作用をもつ金属を使用されることが多いです。

冷蔵冷凍車

冷蔵冷凍車は、荷室の中に仕切り板を設けたり、2つ以上の荷室を作ることで冷凍と冷蔵の両方を備えているトラックです。
1つのトラックで様々な保管温度の荷物に対応することができるため、より多くの種類の荷物を運ぶことができます。
冷凍車をベースに作られており、冷気の一部を冷蔵の荷室に送る形になるため、専用のトラックのように正確な温度調整ができないデメリットがあります。

冷凍・冷蔵車に搭載される冷凍機の冷却システムは3種類

冷蔵車イメージ

冷凍や冷蔵に利用される方法にはさまざまあります。
ここでは主に使用される3種類を解説していきます。

機械式冷却システム

機械式冷却システムは、コンプレッサーにより冷媒を循環させることによって荷室の温度を下げるシステムです。
このシステムは、家で利用されるエアコンやカーエアコンと同じ原理のものが使用されています。
ただし、部屋や車のエアコンとは違い、氷点下以下に温度を下げる必要もあるため、高い冷却性能が求められます。
温度の調整も細かく設定ができ、温度調整の精度が高いのが特徴です。

冷蔵トラックや冷凍トラックに使われるシステムの多くのシェアを獲得しており、9割以上の冷凍・冷蔵トラックに採用されています。
動力源には、トラックのエンジンから動力を得る直列エンジン方式と、冷却専用のエンジンを持つサブエンジン方式があります。

液体窒素冷却システム

液体窒素冷却システムは、-196℃の超低温の液体である液体窒素を利用し、荷室と中に入っている荷物を冷却するシステムです。
液体窒素による冷凍や、保温は食品の品質を落とさないことでよく利用されており、傷みやすい生鮮食品に多く利用されます。
液体窒素は比較的コストが高く、液体窒素そのものが消耗品であり、ボンベの交換などの手間がかかるため、あまり多く普及しているとは言えません。

しかし、品質を重視する商品などの運送には重宝されている冷却システムです。

蓄冷式冷却システム

蓄冷式冷却システムは、あらかじめ冷凍された板やドライアイスなどを荷室に入れることで、荷室の温度を下げるシステムです。
冷却システムなどの設備を持たないトラックや、冷蔵・冷凍貨物を運送することがあまりないトラックなどで利用されることが多い方法です。
他のシステムと違い、エンジンを停止している状態でも、荷室の温度を保つことができることが特徴のひとつとして挙げられます。

 

3温度帯指定の貨物はどのように運送されるのか

冷蔵庫イメージ

3温度帯に指定される荷物は、どのようにして目的地まで届けられるのでしょうか。
ここでは、冷凍食品を例に工場からスーパーまでの配達経路を解説します。

工場で作られた冷凍食品は、工場でしっかり凍らせた状態にしたのち、工場から冷凍トラックに積み込み、中継地点の物流センターに配送します。
物流センターには冷凍庫が完備されており、トラックも冷凍庫に直結することができるため、凍った状態を保ったまま保管されます。
保管された冷凍貨物は、目的地別に仕分けされ冷凍トラックに積み込まれ、目的地の近くの配送センターに運ばれます。
配送センターにも、冷凍庫がおいてあり、そこへ保管され、配達の際にスーパーまで配達されます。
こうして、一度凍らした冷凍食品は凍った新鮮な状態を保ったままスーパーへ届けられ、私たちの手に入ります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
この記事を読んで、私たちが普段なにげなく購入している乳製品や冷凍食品などの温度管理が必要な商品はどのように温度を保ち、私たちの手まで届けられるかお分かりいただけたかと思います。
品質や鮮度を保つには、トラックや倉庫、荷室に冷蔵・冷凍機能を持たせるなどの工夫をすることで新鮮な状態で手元に届けることが可能になっているというわけです。
今回の記事で、冷蔵や冷凍などの特殊な機能を持ったトラックに少しでも興味を持って頂けたなら幸いです。

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