企業・個人として脱炭素化できることとは?【2021最新まとめ】

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2021年4月現在までの世の流れ

菅首相による所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と2020年10月26日、世界にむけて宣言されました。
運送業界、自動車業界にとっては、車両製造過程における二酸化炭素排出を含めて、二酸化炭素排出のもととなる排気ガスを2050年にはプラスマイナスゼロにすることを目指す、ということです。

このことは、日本だけで完結せず 世界が直面している最重要課題である『地球温暖化』という環境問題を解決していくための『社会変革』であり、避けて通ることは出来ないことです。

日本の貨物輸送の90%以上を占めるトラック輸送の排気ガスをゼロにすることは、容易なことではありません。
しかし、一たびなされた宣言は撤回されることはあり得ず、ESGに重きを置く株主や投資家たちの目はすでにそれに向けて動き出し、自動車業界も重い腰を上げ隠していた奥の手を出してきています。
※ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を意識した取り組みであり、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けたプロセスの1つです。

そして自動車産業界の再編や異業種の参入を促し、100年に一度の変革はこれから巨大台風のように自動車業界・運送業界地図を塗り替えていくかもしれません。

この動き出した止めることの出来ない流れにいち早く乗り、明るい未来をつかみ取るために『脱炭素化』に対して出来ることと、『脱炭素化』されたあとに出来ることを企業として、個人として考えてみたいと思います。

企業として『脱炭素化』のためにできること

地球を守るイメージ

モノを運ぶ運送業の世界の脱炭素化は簡単です。
産業用に自動車がまだ使われることは無く人馬の力に頼っていた、ほんの百数十年前に時間をさかのぼりさえすればよいことです。

しかし、そんなわけにはいきません。
物流システムの発展とITの進歩により、ここまで浸透してしまった私たちの生活を簡単に変えるわけにはいきません。

現在、国も推進しようとしている『脱炭素化』に役立つとされる、モーダルシフトを考えてみましょう。
トラック等の自動車で行われている貨物輸送を、環境負荷の小さい電気で走る鉄道や一度に大量の荷を運べる船舶の利用へと転換する取り組みです。
日本全国に700万台以上あるトラックの一台一台に、化石燃料であるガソリンを燃やして動くエンジンがついています。
このエンジンが二酸化炭素を発生させ、環境破壊につながっていきます。
その考えでモーダルシフトは推進されています。

『モーダル』とは『モード』、『方法』のことです。
輸送方法を変えることで環境保全と経費削減につなげるのです。

しかし、この『モーダルシフト』は思うように進んでいないのが実情です。
貨物列車や船舶には決められた時間に走ったり、定位置から定位置への移動のようなルールがあります。

日本における現在の物流の右肩上がりは、ご存じのようにひとえにインターネットの発展による『B to C』による物流量の増加からです。
今パソコンで注文すれば明日には手元に届くようなネットショッピングに『モーダルシフト』は不向きなのです。

今ある鉄道の主要幹線に沿って存在するターミナル、コンテナヤードまでのみの輸送は、ラストワンマイルを課題として残してしまいます。
鉄道、船舶によって運ばれた、もともとそこにあったターミナルがラストワンマイルにとって物理的に適地であり、十分な作業場所が確保できるのかは疑問です。

それならばこれから実用化されるEVやFCVの隊列走行のトラックの輸送にあわせて、既設や計画中の高速道路の適地にコンテナステーションを建設するほうが現実的だと思われます。

運送業界の各企業の皆さまの『脱炭素化』に向けて出来ることは、先を見据えての効率的な投資ではないでしょうか。

すべては世界の流れに則って国が決めたことです。
これに従うか、否かです。
投資か、廃業しかないのです。
廃業をよしとしないのならば早い時期から先を見据えての効率的な投資を考えるべきです。

国策で動き出している事業ですから、助成金特別融資も登場するはずです。
今、企業として『脱炭素化』に向けて出来ることは効率的な投資に向けての情報収集となるかと思います。

サプライチェーンの構成も変わるかもしれません。
サプライチェーンに不可欠な運送に企業が何を要求してくるのか、隊列走行による大量輸送なのか、ラストワンマイルにおけるドローンやロボットによるAIで制御された配送に対してなのか。
先を見極めここでもまた効率的な投資に向けての情報収集が必要になるでしょう。

そして、『脱炭素化』されたあとに出来ることは3Kの代表選手のように言われる運送業界の『働き方改革』でしょう。
一見、まったく違う分野のようですが、地球温暖化防止のための『脱炭素化』、良環境への課題は経済の課題でも社会の課題でもあるのです。

これらが絡まり合いながら生きていきやすい世の中を形成していくのがこれからの時代だと思います。
インターネットの普及で自宅や事務所にいなくても、休憩時間にスマートフォンで何でもすぐに調べることの出来る時代となりました。
多くの情報が錯綜するなかで、この『脱炭素化』に関する個別の単語の知識は私たちの頭にも十分入ってきています。

全体をながめて、全体をつなげて先を考えることが重要でしょう。
そして、経営者のみなさんにはこの先逃げることの出来ない将来に備えての効率的な投資に向けての情報収集を心がけていただきたいと思います。

個人として『脱炭素化』のためにできること

太陽光パネル

この『脱炭素化』は我々個人に、我々の家庭に大きな変化をもたらすことでしょう。
企業のように二酸化炭素の排出権の売り買いのような、プラスマイナスゼロである『カーボンニュートラル』のような概念は持ち込むわけにはいかず、実質の二酸化炭素の排出ゼロを目指さねばならないでしょう。

電気の時代に突入した100年前の大変革とは違います。
『無』から『有』を生み出していくような、私たちの生活を変えてくれる何が生み出されてくるかわからないような、皆を期待させるような大変革ではありません。
むしろ今回は現在溢れかえってしまったものや、失ってしまったものを科学の力で整理するような大改革です。

電力は化石燃料発電から再生可能エネルギーへと変わっていくことでしょう。
再生可能エネルギー(Renewable Energy)とは、石油、石炭や天然ガスのような有限な資源である化石エネルギーとは違い、太陽光をはじめとする風力、地熱や波の力などの自然界に常に存在するエネルギーのことです。
「枯渇しない」「どこにでも存在する」「CO2を排出しない」の3点がその大きな特徴です。

そして、私たちの生活も変わっていきます。
EVやFCVの自家用車に乗り、公共交通機関も同様です。徒歩や自転車での移動も奨励されることでしょう。
各家庭の電灯はすべてLEDに替わり、個人宅も省エネ設計が主流となっていくでしょう。

『脱炭素化』は私たちの生活を物質面からも精神面からも豊かにしてくれるはずです。
空気は今以上に澄み、川や海には魚が泳ぎまわり、子どもたちは陽の降り注ぐ屋外で遊び親たちは何の心配もいりません。

この先私たちはESGやSDGsをテーマに活躍する企業や投資信託に投資して豊かな生活にむけて準備します。

『脱炭素化』の関わってくる『自動運転』も私たちの生活に大きな変化をもたらすことでしょう。
運転免許の概念は変わり、道路交通法の見直しも行われることでしょう。
交通事故という悲劇は起きることは無くなり、高齢世帯や過疎地のお年寄りも安心して病院通いや買い物に出かけることが出来るようになります。
『少子高齢化』への対応にもつながり、安心のある豊かな生活を生み出すことでしょう。

企業として、個人として脱炭素化したあとにできること

運送イメージ

  • 2035年までに新車販売で電動車100%を実現
  • 22050年カーボンニュートラル『脱炭素化』

上記の2点が決定事項であり、詳細はこれからが現状です。

すべては私たち、私たちの子孫のためにより良い環境の地球を残すためであり、住みやすい社会を形成するための『脱炭素化』です。

  • 少子高齢化対応
  • 働き方改革

これらは合わせて解消されていくでしょう。
企業であれ、個人であれ、今は先を見据えて、この決定事項に対して前を向いて邁進するしかありません。

企業、個人としての利益の追求は当然なされなければなりません。
そしてその前に運送業における、必要とされるモノを目的地まで届けるというミッションは『脱炭素化』によって物流の方法に変化があろうとも、いつまでも変わることは無いことを再認識し、v『脱炭素化』に大きくかかわるのも『運送』、世の中を支える物流というシステムを支えているのも『運送』であることを併せて強く再認識していただきたく思います。

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